日本福祉のまちづくり学会関西支部

 
セミナー

第29回 日本福祉のまちづくり関西セミナー報告  
「神戸ユニバーサルツーリズム みんな遊びにでかけよう!」

― 2007年10月13日(土) 神戸花鳥園・ニチイ学館ポートアイランドセンター ―

後援:神戸市

協賛:NPO法人塩井障害者自立支援基金
協力:株式会社ニチイ学館

 旅行は人生を楽しむ余暇活動の代表的なもののひとつです。しかしながら障害のために自由に旅行を楽しめないでいる人もまだたくさんいらっしゃるのも事実です。障害に関わらず、安心して旅行を楽しめるサービスやシステムが整えば、もっと自由に旅行を楽しめるはずです。今回はセミナー前日に、大分と東京からNPO法人ウィズアス WINGKOBEのサービスを利用して神戸観光を行った旅行者からの報告、WINGKOBE代表の基調講演、いま神戸で話題の花鳥園、コンチェルトの代表とのパネルディスカッションと盛りだくさんの内容でした。

◆見学会1/ 神戸花鳥園 10月13日(土) 10:00〜

花鳥園は、平屋でバリアフリーになっているので車いす使用者やベビーカーを押す人をはじめ、楽に移動できます。また、花は天空に吊られているので様々な角度から楽しむことができます。鳥たちが園内を自由に動いていて、餌をやれば腕に乗ってきます。さりげない気配りがたくさんあり、多くの人が楽しめます。中さん、末永さんも朝から花鳥園に遊びに来てもらいました。

セミナーの打ち合わせも花鳥園で行いました。

〈神戸花鳥園の様子 〉
◆見学会2/ ニチイ学館バリアフリールーム 10月13日(土) 12:00〜
 

「研修会議・情報開発センター」は、医療・福祉関連の国際会議や企業研修など多様なコンベンション、研修、会議を開催できる最新鋭の研修会議施設です。同時通訳ブース併設の大会議室、小会議室やレストランも備わっています。また、宿泊型の会議や研修に対応した宿泊施設があります。1階は車いす対応の設備を完備したバリアフリールームが15室(ツイン6室、シングル9室)あります。そのほか、福祉リハビリテーション機器体験コーナーでは、車いすバスケットボールなど様々なスポーツレクレーションを行うことができます。

〈ニチイ学館バリアフリールームの様子 〉
◆セミナー/ 10月13日(土) 13:30〜
  基調講演  


〈基調講演の様子 〉


「旅の感動を神戸から始めてみませんか?」鞍本長利氏(NPO法人ウィズアス代表理事)
鞍本氏はWINGKOBEの代表であり、旅先でのサポートが充実することで、自由に旅を楽しめる障害者が増える、そのためにはばらばらになっているサービスをまとめるシステムが必要であると話されました。神戸では少しずつそれが形になっています。
 
  神戸ユニバーサルガイド体験報告

中さんは、今まで家族や友達、介助者が同行する旅行しか経験がなく、初めて1人で新幹線に乗り神戸まで来たことが不安であったが、今後いろんなことに挑戦しようと思えるきっかけになったと語ってくれました。そして旅行は観光だけではなく、入浴介助、食事介助といった日常生活が不可欠であり、それが確保されてこそ旅行を楽しめるということが、セミナー参加者には十分伝わったと感じています。

末永さんは、セミナー終了後大分でも同じような取り組みを行いたい、しかしまずバリアフリーの充実からであると、県や市に働きかける活動を始めました。また、パネリストの宮野氏(兵庫頚損連絡会)との出会いから、年末には兵庫の頚損者数名が大分・別府へ温泉旅行に出かけ、それを大分の頚損者がサポートするというツアーが計画されています。


 
  パネルディスカッション
  基調講演の鞍本さんを交え、神戸芸術工科大学教授 相良二朗氏をコーディネーターに、叶_戸クルーザー・コンチェルト社長の南部真知子氏、株式会社花鳥園代表取締役 加茂元照氏、兵庫頚損連絡会 宮野秀樹氏によるパネルディスカッションを行った。

 

コーディネーターの相良さんは、旅行は非日常だけど、非日常を送るためには日常(食事、移動、入浴など)は不可欠だと話されました。

コンチェルトはエレベーターが設置されていませんが、スタッフが甲板までお連れします。
車いす対応の広いトイレはありませんが、トイレ内にスクリーンを用意して、空間を作って使用してもらうようにしております。
また、視覚障害者の方にはスタッフ手作りの触地図でおもてなしをしています(地図を持参してくださいました)。できるところから進めておりますと語る南部さん。

花鳥園の加茂さんは、花鳥園のトイレは、1つ1つをゆったりと作っており、数も多い。このことがお客さんの満足度につながるとはなされました。

兵庫頚損連絡会 宮野さんは、家に閉じこもっている障害者をどんどん外に出したい。そのためにいろいろな活動をしていますと熱く語られました。宮野さんは最近韓国へ旅行されたばかりです。

 

 今回のセミナー(特にユニバーサルツーリズムの部分)は、特定非営利活動法人塩井障害者自立支援基金から頂いた助成金を使わせていただきました。助成金のほとんどは、神戸でサポートするヘルパー(24時間介助)の人件費に使わせていただきました。鞍本さんの言われるように、現地でヘルパーが用意できることはヘルパーの旅費を払う必要がなく良いシステムではあるのですが、現在の障害者自立支援法は住所地近辺でしか利用できないため、旅先でのヘルパーには実費で支払う必要があります。宮野さんは、旅行運賃が障害者割引になったとしても、それ以外の費用がかかるのが現状と話します。今後、このことについても議論する余地があると感じ、今後の学会の課題であると認識しました。
 
 たくさんの方のご協力によって、様々な企画盛りだくさんのセミナーが無事に終了しました。
関係者の皆様がた、本当にありがとうございました。
 
◆神戸ユニバーサルガイド体験/ セミナー前日 10月12日(金)
 ユニバーサルツーリスト:中順也さん(東京都)、末永茂樹さん(大分県)が神戸観光にやってきました!お二人のコンシェルジュとして、ウィズアスのスタッフが同じ車いす使用者の立場、目線からきめ細やかな配慮で案内します。
お二人の様子は2008年1月4日AM9:30〜10:00 
「石橋勝のボランティア21 http://www.tv-osaka.co.jp/ip4/v21/にて放映されました。
「みんな笑顔で、ユニバーサルな旅を!」〜NPO法人ウィズアスの障害者・高齢者旅行サポート活動〜ゲスト:NPO法人ウィズアス代表 鞍本長利さん
中順也さん編
 東京から一人、新幹線でやってきた不安そうな中さん。WINGKOBEのスタッフに出迎えられてホッされました。新神戸から公共交通機関を使って南京町へ行き、飲茶を食べ、中国雑貨をショッピングしました。その後、宿泊先のホテルオークラに到着。ホテルオークラは食事(刻み食など)、宿泊室(浴室の環境)など様々なサービスが充実しています。入浴にはヘルパーが来ます。
 

 
末永茂樹さん編
 大分から飛行機でやってきた末永さん。予約していた飛行機の障害者定員8名を超えてしまったので、搭乗できないと言われ急きょ航空会社を変更したそうです。予約時には障害者かどうかを聞いてない場合があったようでこのようなことに。
伊丹空港からリフト付タクシーでやってきた末永さん。いつも末永さんの介助で旅行を一緒に楽しめてないというお母さんとご一緒の旅行です。まずは王子公園へ。車いすトイレも充実です。
その後末永さんのご希望で三田牛を楽しみました。みなとまち神戸では、コンチェルトに乗って神戸の街を海から見ました。コンチェルトは乗り込むにはエレベーターなどがないのですが、スタッフが船上まで持ち上げてくれます。
 

 
中順也さん・末永茂樹さん編
 それぞれの神戸観光を楽しみ、ハーバーランドにて中さんと末永さんが合流です。その後、末永さんは南京町へ、中さんは神戸の夜景を楽しみながら、食事とお酒?を楽しみました。

 
ユニバーサルツーリズムコンシェルジュ WINGKOBEとは?
神戸を訪れる障害者、高齢者、その家族と、前もって必要なケアを打ち合わせ、各事業所に連絡します。
きめ細かにさまざまなサービスをつないでいくことによって、ユニバーサルな神戸の旅を創り出すお手伝いをします。
HPはこちら  http://wing-kobe.org/
 
文責:糟谷 佐紀(神戸学院大学総合リハビリテーション学部)


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